【まだまだ熱中症に気を付けましょう】

【まだまだ熱中症に気を付けましょう】

 

 皆さん、こんにちは。

 コロナ禍でなかなか遊びにくい昨今ですが、この夏休みいかがお過ごしでしょうか。ご家族と一緒に過ごせる夏休みも終わってしまいますが、子どもたちには残り僅かな夏休みも存分に楽しんでほしいと思っています。

 今回は、子どもの熱中症についてお話したいと思います。自分でも「今さら?」と若干感じながらも、まだまだ9月10月と熱中症の脅威も続きますので、幼稚園でもご家庭でも気をつけていきましょうという思いを込めて、お話していきたいと思います。

 

 熱中症というのは、体温が上がって体温調整機能が働きにくくなり、体内に熱がたまってしまう状態のことを言います。普通は汗をかいたり、皮膚温度をあげたりして、熱を体から出そうとしますが、この機能が上手く働かないと熱中症になってしまいます。

 熱中症になってしまうと、めまいや立ちくらみ、嘔吐、倦怠感があったりして、重度になると意識がなくなってしまったり、けいれんを起こしたり、最悪の場合は命を落としてしまうことにもなってしまいます。

 そうした状態になる前のサインとして、顔のほてりや汗を大量にかいたり、逆に汗が全くでなかったり、足をつったり、皮膚が赤く乾燥したりします。

 

 また熱中症になりやすい3つの要因があるみたいですのでご紹介しておきます。

 ①環境要因(気温、湿度の高さ・風通しが悪い場所など)

 ②行動要因(休憩をとらない・水分補給ができない・炎天下での活動など)

 ③身体要因(子ども・高齢者など)

 

 では、そもそも「なぜ子どもは熱中症にかかりやすいのか」ですが、

★子どもは体温調節機能が未発達

 子どもは尿を作る能力も低いですが、汗をかく機能も未熟なため、大人と比べ暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかるみたいです。もちろん、体温を下げるのにも時間がかかるので、体に熱がこもりやすいということです。汗腺の分泌能力は大人の40%程しかないとも言われているようですので、対策を早めにしてあげる必要がありますね。

★照り返しの影響を受けやすい

 子どもは身長が大人に比べると低く、地面のアスファルトなどの熱を大人よりも受けやすいそうです。大人の顔の高さと子どもの顔の高さでは3度程の違いがあるようですので、私たちが暑いと思っているとき、子どもたちはもっと暑いと思っているということですね。

★体重に比べ体表面積が大きい

 体重の割に、表面積が大きいのが子どもです。私たちが思っている以上に子どもたちは外気温に影響されます。そして、大人に比べ体の水分量も多いため、大人以上に水分補給が必要となります。

★水分補給、対策を忘れがち

 「お茶飲んでね」と大人が言っても遊びに夢中になったり、めんどくさくて「飲んだよ」と誤魔化すことも間々ありますよね。体内の3%の水分がなくなると色々な症状が出始め、10%の水分を失うと生命の危機にさらされると言われています。先ほどもありましたが、子どもは大人よりも体の水分量が大きいので、大人よりもこまめに水分を取るよう心掛けないといけません。

 

 というような理由から、子どもたちは大人よりも熱中症にかかりやすいということになります。

 では、どのような対策をとったらよいのかということですが、これはもう皆さまもご存じの通りだと思いますので、要点を絞ってお伝えしたいと思います。

 

◎確実な水分補給を

 「お茶飲んだ?」「お茶飲んでおいでね」と言うだけでなく、言った後に子どもが確実に飲んでいるかを確認したいですね。また、遊んでいる時であっても時間を決めて水分補給を行うとか、定期的に水分補給を促すなど、ある程度大人が管理しながら、水分補給を促す必要があると思います。「喉かわいた~」と言うときは既に水分が足りてないみたいですので、こまめに水分補給をするようにしましょう。

 

◎服装も気をつけましょう

 子どもは体温調節機能が未発達と言いましたが、子どもは頭からは滝のように汗を流しています。どうやら、頭に関しては、大人と同様の発達をしているようなのです。また、子どもの顔は大人よりも3度程高いということもありました。つまり、例えば35度の日であっても、子どもの感覚でいえば38度の中、遊んだり、動いたりしているということです。そりゃ、汗だくになりますよね。

 なので、まず帽子について買い替えの際にちょっと考えてあげてください。子どもの好き嫌いもありますが、熱がこもりにくいもので日差しが避けられるものを選ぶといいかもしれませんね。

 次に洋服ですが、熱は下から上に抜けていきますので、首元が閉じているものは洋服内の熱が逃げにくくなる恐れがあります。熱を逃しやすいという点も見てあげてくださいね。

 

◎体温調節機能も育てよう

 子どもは体温調節機能が未発達と言いましたが、そのまま大きくなったら未成熟なまま成長することになりかねません。「暑い~」のは分かりますが、クーラーのきいた部屋でずっと過ごすのでなく、汗をかく練習も必要です。また、身体を動かすということは、子どもの成長にとっては不可欠な要素にもなりますので、適度に身体を動かし、汗をかいて体温調節ができる身体づくりもしていくことが大切になります。

 

 今年の夏は雨がよく降りましたので、暑くはありましたが、外ではなかなか遊べない日が多かったように思えます。その分、9月、10月は良く晴れた暑い日が続くかもしれません。まだまだ熱中症、そしてコロナの脅威と共に過ごさなければなりませんが、上手に付き合っていける方法と身体づくりを身に着けさせてあげたいですね。

 

浅井 広